部屋の片付け

人間はふたつに分けることができる。
整理整頓できる人間とできない人間だ。
一口に整理整頓と言っても、物理的な器物の整頓から情報の整理まで細分化されるが、整理するしない・できるできないの傾向は器質的にも情報的にも共通していると思われる。つまり、物理的に整理整頓できない人間は、精神的な能力としても情報の整理ができないということだ。
地球が太陽の周りを回るが如く当然のことながら、吾輩の整理整頓能力は虫けらも憐れむほどの低能を誇る。その住処たる吾輩の部屋など賤家荒屋を通り越して家畜小屋というに相応しい惨状を3年と半年もの長きにわたり呈してきた。そのような部屋に起き臥す吾輩、その相貌も人より獣に近しく変化していく感あり。ダーウィン敗れたり。ここに人の獣返りする実例を見いだすに至り、整理整頓能力の不備からついには環境適応論の正しさを身を以て実証することになってしまった。
 
しかし昨今何かと野山の動物が人間に姿を現すことが多く、こと最近は熊の出没が頻繁な出現が声高く報じられる有様である。北陸地方での熊出現率は極めて高く、やれ昨日はどこで熊が出た今日はそこだと日がな熊の呼び声を聞かぬことがないほどである。現に吾輩の通う某K大学キャンパスにて熊の目撃される始末、こうなるともはや他人事笑い事ではすまされぬ。我が陋屋が山中にあるという現実に加え、我が相貌獣の如くになれば猟師に襲撃される危険のみならず、熊に朋輩と勘違いされるもあながち杞憂とも思えず。
 
さぁ、恐慌を来してついに部屋の掃除を開始したのが3日前。最後に大掃除した日をとんと思い出せないとあればちょっとやそっとでは片が付かない。大学4年間で溜まりに溜まったプリント・ノートを取捨選択していく作業だけで一日仕事。掃除しながらも昔の本やノートを見ると手が止まってしまうのは整理整頓能力に欠けている所以か。一枚一枚あれはこの授業これはつまらんそいつはおもしろいとやっているのだからいっこうに作業は進まない。ようやくに見終わって他のゴミとも一緒にすれば全部で段ボール5箱の燃えるゴミ。いっそ部屋に火をつけた方が早いのではという不謹慎な考えも納得のちらかりっぷりに完敗。
 
そうこうして部屋を片付け新しい椅子を購入しレイアウトし直した結果、なんだかとてつもなく部屋が広くなりました。超爽やか。折り畳み可能なリクライニング椅子メーカー直販で本体送料税込11090円。超快適。リクライニングさせると連動して足もあがる。超リラックスできる。ワイン片手にくつろいでテレビ*1見る。蝶最低。(高級スペイン料理食べたいです)
 
ここまで返信すれば少なくとも家畜小屋から幽霊屋敷程度にはクラスチェンジできているはず。今日からは快適なお化けライフを満喫したいと思います。