午前26時半

窓の外の凍える夜に何やら響くもの有り。
グオーーン、ギュルギュル……
どう聞いても脱輪してる。すげー脱輪して脱出しようともがいてる音だ。
こんな夜に脱輪すんな。
さすがにわざわざぬくい部屋から寒空の下に出てまで手伝う気は起きない。
ただの善良な一市民は雷ごろごろ雪はらはらの相対的な意味における地獄(ホットカーペットに比べて)に出てまで窮者を救いはしない。飽く迄自分の都合が最優先なのが善良な市民の市民たるところ。だと思う。
 
何だか自分の情けなさがやけに際立ってきたのでとっとと寝よう。夜と雪に足掻き続けるエンジンの音を聞きながら。