エンジンかからないのでまたもや本の感想。
 
 
 
綾辻行人『どんどん橋落ちた』読了。
「壁投」の悪評も聞かれる難問推理パズルを集めた短編集。どんなもんだと読んでみれば、ぎりぎりの線でフェアではないかしらん。手掛かりも条件もきっちり提示されている以上、その枠内で推理を展開して正解に至るのは不可能ではない。正解しないけど。最初からイロモノとわかって読むのなら楽しめるかと。
あと『伊園家の崩壊』が一番楽しかった。フネ発狂刺殺自殺ナミヘイ借金アル中凍死マスオ浮気サザエ麻薬カツオ不良ワカメ事故下半身切断タラ虐められっ子イクラ残虐低能児と見事な崩壊具合。嫌だこんな磯野家。
 
 
物集高音『吸血鬼の小壜 第四赤口の会』読了。
氏のしたためる文章は癖が強いがそれさえ慣れれば大量のフォークロアな薀蓄の海におぼれて楽しむことができる。本書では花咲爺、手無し娘、吸血鬼、口裂け女の伝説を民俗学に絵解きしているが、中でも花咲爺と手無し娘の謎解きが思わず楽しめたのは行幸。もっとも民俗学などは大学の一年時に講義をとってすぐ放り出したような門外漢なので考察の正確性にはとんと口を出せないのだが。本書は素人が読んでも趣旨を理解し、楽しめるのならそれで成功なのだろう。
寡作なのは書の内容上仕方ないことであろうか。系図屋のシリーズも書いてもらいたいものである(こっちも大変そうだけど)。
 
 
奈須きのこ空の境界』上巻進読中。
なんか読みにくいなぁ。講談社が「新伝綺」なるジャンルをずいぶんと気合入れて売ろうとしているようなので手を出してみたが、俯瞰風景に関する考察の会話すごくわかりにくい。章を読み通さずに感想を述べるというのもアンフェアなので一応全部読んでみるつもり。
 
 
 
日がな本ばかり読んでいるのも疲れるので息抜きに図書館と本屋へ。
ダメだな、おれ。と思う。 ←日記